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トピックス画像/エレクトロ35のSLOWランプがよく点く季節になりました。

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    アーガスC2エレクトロ【概要と特徴】


    1930年代後半から60年代まで驚異的ロングセラーとなった傑作大衆カメラ「アーガスC3」を生んだ米アーガス社はその後も新型カメラを生み出していきますが、残念ながらC3程の大成功は収められませんでした。そしてカメラの低価格化・プラスチック化の波が押し寄せる中で、伝統あるカメラメーカーのアーガス社もまた、安価なプラスチックカメラを用意する必要に迫られたのです。
    そんな中で生まれたのが、伝統ある「C2」の名を継いだ「C2エレクトロ」です(発売年不明)。名前だけは「アーガス+ヤシカエレクトロ35」といった趣で良いのですが(?)、その実態は香港製の極めて粗悪なカメラでした。

    本来プラスチックカメラといえば、アーガス社としては過去にC3を生んだ「得意分野」だった筈です。現にC3はプラスチック(ベークライト)カメラでありながら重厚さと頑丈さを兼ね備えた存在であり、大衆カメラにあるべき確実な動作と耐久性があったからこそ広くアメリカで愛されたのです。しかしながら、このC2エレクトロは偉大なるC3の遺産が何ら活かされていない「ただの安いカメラ」でした。故にこのカメラは名前を残す事もなく歴史の彼方に消えていったのでしょう。

    ・・・と、いきなり酷評から始まってしまいましたが、国産カメラの劣化コピーとしか言い様のない外観及び機構は、特に見るべきものはありません。フィルム感度はASA100・400の2段階に切替できますが焦点固定式で粗悪極まる2枚羽根シャッター、過剰に光るので鬱陶しい事この上ない露出警告ランプなど、正直どこをどう誉めたらよいものか苦しいのも事実です。



    軍艦部背面です。
    中央部のスイッチはストロボスイッチです。C2エレクトロで内蔵ストロボを使用する際は、まず正面の赤いボタンを押してストロボを横に突出させた後にこのスイッチをONにする必要があります。本体の操作はご覧の通り完全手動ですが、内部ギアの構造が粗悪極まるのでシャッターチャージの感触は「今にもブッ壊れそうで」最悪です。最初は内部破損かと思った程に作りが粗悪でしたので、操作フィーリングや信頼性の改善は諦めました。
    レンズはCINTAR LENS f1:4 38mmと記述があります。この数値は奇しくも「エレクトロマークを背負った」セディック・シティーボーイ35EFと全く同一です。

    シティーボーイ35EF参考記事
    偽エレクトロ?セディック シティボーイ35EF【概要と特徴】

    外観こそ情けないものの意外な実力を発揮するシティーボーイが比較対象として浮かび上がってきたところで、露出警告ランプを光らせてみましょう。




    ・・・うざいです。
    ファインダー前後両側から確認できる程に盛大な赤い光が邪魔でなりません。参考までに書くと、シティーボーイの露出警告ランプはファインダー横で控えめに光ってくれます。



    シティーボーイとの比較です。
    正直驚きました。ファインダーやレンズ、フラッシュ、シャッターボタン、巻き上げノブまで機能部品の殆どの配置が酷似しています。パーツ分割はC2エレクトロの方が凝っていて総プラ製ながら軍艦部や底蓋等、金属製クラカメのパーツ分割を踏襲しているのに対してシティーボーイは前後分割のモナカ構造です。外観デザインもC2エレクトロの方が垢抜けており軍配が上がります。
    しかし、いざ手に触れて動かしてみると、当時のmade in japanとmade in hongkongの格差の大きさをモロに実感させられます。全てにおいてシティーボーイの圧勝なのはいうまでもありません。

    折角やってきたのに「いいとこなし」な記事になってしまいC2エレクトロには申し訳ないのですが、カメラが消耗品になっていった悲しい流れの生き証人でもある機体ですので、いつか良好な作動ができるよう本格的に手を加えていきたいと思います。

    テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真

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    アーガスC3(argus C3)を分解してみよう
    第二次大戦前から60年代までの長きに渡りアメリカ庶民に愛され続けてきた、「レンガ」の愛称で知られる人気カメラがアーガスC3です。
    関連記事→アーガスC3(argus C3:概要と解説)

    今回は、この「アメリカの国民的名機」を分解し、そのシンプルで堅牢な、そしていい加減な(笑)メカニズムについて触れていきます。


    では分解を始めましょう。
    アーガスC3は鏡筒を外さなくても分解できますが、鏡筒とピント調整ダイヤルの間にある連動ギアは外す必要があります。この連動位置が狂うとピントも狂いますので、各ギアが噛合う位置には必ずマークを付けておきましょう。ギアは手前の円盤状キャップを外せばポロッと取れます。同様にシャッターチャージレバーも時計周りに回せばあっけなく取れます。
    シャッター速度ダイヤルは中央のネジを回せば取れますが、これも前板側にあるカムとの位置関係をよく覚えておきましょう。
    あとは偽革を剥がせばネジが露出しますので普通に外しましょう。この時、正面から見て右側に真鍮製の円盤が入ってます。組立て用ハッチですのでなくさないよう注意して下さい。



    (画像をクリックすると拡大します)

    偽革を剥がした前板の前面です。
    レンズ取り外しには一工夫が必要ですし、外さなくても分解できます。一部資料ではC3はレンズ交換可能とありますが、私の個体を含め複数のC3でその内容に反する機構がみられますので、ひょっとしたら前期型(私の個体もそうです)はレンズ固定式なのかも知れません。この辺りはなんとも結論できないのでまた調べてみます。
    レンズ右下にある円盤型の真鍮板が組立て用ハッチです。このハッチは、前板を取り付けた後に、シャッター速度調整カムに連動するロッドを組み付ける際役立ちます。



    (画像をクリックすると拡大します)

    前板裏面のメカです。
    アーガスC3の機構上の特徴として、本当に信頼してよいものかどうか悩むレンジファインダー機構及びシャッター速度調整機構があります。
    真鍮製ピント調整ダイヤルの裏面にはカムがあり、このカムが本体ファインダー部のミラーを支持するステーの突起と噛合う事でファインダー部ミラーがダイヤルの回転に連動して駆動し、同時にダイヤルに連動したギアがレンズ前玉を回転させるのです。このカム接触部分の精度はあまり誉められたものではなく、組立て後のファインダー微調整は必須です。
    シャッター速度調整も速度調整ダイヤル裏面のカムに連動したロッドが複数のリンクとロッドを経由してガバナーを制御するもので、あまり正確な制御はできていないようです。
    画像にも写っているこのロッドがC3のアキレス腱ともいえる部分で、組み付けを誤るとシャッター制御機構が死にますのでロッド先端部分の細い突起の破損に注意し、力まかせの組み付けは行わないようして下さい。



    (画像をクリックすると拡大します)

    本体メカ部分です。
    3枚羽根シャッターユニットは上下2枚の金属板ロッドの左右駆動によってレリーズ/バルブ開放制御/シャッター速度制御の全てがコントロールされます。それぞれの機構自体はわざわざ説明するほどのものでもありません。とにかくシンプルの極みですので安心してクリーニングしましょう。但し本体がベークライト製ですので、プラを腐食するようなクリーナーの使用は控えた方が無難です。下手にクリーナーを使うと腐食劣化で本体の強度が下がり、本体に「ビシィ!」と亀裂が入る一因にもなりますのでご注意下さい。
    ここでも唯一の重大注意事項はシャッター速度制御ロッドとリンクが結合する突起と穴の位置の再確認です。

    組立て時におけるシャッター速度制御ロッド組み付けの際は、前板装着時に前出の組立て用ハッチの開口部からピンセット等を差込み、シャッター速度制御ロッド下部の細い突起を本体側リンクの穴にうまく差し込みましょう。組立てがうまくいけばシャッター制御ができますので確認は容易です。組み付けに成功したら、前板をネジ止めしてハッチの真鍮板を開口部に置き、その上から偽革を貼る事で真鍮板を固定しましょう。



    アーガスC3は非常に分解が容易な部類のカメラで、機構も判り易いので楽しく分解・クリーニングできます。しかもカメラとしての性能も良く、実に味のある写真が撮れるのでお気に入りの一台です。
    肩肘張らずに遊べるクラカメらしからぬフレンドリーさも嬉しいですね。

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    アーガスC3【argus C3 / 概要と特徴:改訂Ver.】


    時は1938年。遠くヨーロッパではヒトラーがポーランド侵攻を画策し、我が日本もまた戦争の泥沼へと嵌りつつありました。そんな中、一躍大国の座に踊り出たアメリカではこんなカメラが発売されました。その名はアーガスC3。先代モデルのC2にフラッシュシンクロ用の接点を付けた35ミリフィルム使用のレンジファインダー機です。

    アーガスC3の最大の特徴といえるのが、その無骨な外観と単純明快な機構です。同年代のドイツ製カメラのような精緻なファインダーも精密極まるフォーカルプレンシャッターも搭載されず、単純なレンズシャッター機構と必要最低限の視界しかないファインダーを備えた単純なメカをプラスチック(ベークライト)製一体型ボディで包み、前後をアルミ板で挟んだ不恰好な姿は、アメリカで「レンガ(Brick)」、戦後の日本では「弁当箱」と呼ばれ広く親しまれました。このC3はアメリカで空前のヒットを飛ばして国民的カメラとして愛され、1966年まで生産されたロングラン製品となったのです。
    初期型はC2のボディ左側面にシューがあるだけの地味なモデルチェンジでしたが、その長いモデルライフの中でカラーリングや意匠も凝ったものとなり、ツートーン柄のモデルすらも登場しました。レンズもネジ込み式マウントながら交換可能であり、フィルターや交換レンズ等のオプションも(当時としては)充実していました。

    近年では、映画「ハリーポッター」に小道具として登場し、その存在感を示しました。



    アーガスC3の前面です。
    C3の外観において最も目立つ箇所といえば、何といってもレンズとピント調整ダイヤルを直結している着脱式のギアです。このギアは同時にレンズ固定の役割を担っており、ギア表面のキャップを回して外し、ギアを外すとレンズは簡単に着脱できます。

    シャッター速度は1/10〜1/300秒(最速)と表示されていますが、シャッター速度ダイヤル裏のカムとロッドでガバナー(調速機構)を無段階に制御する構造上、1/10秒と1/300秒の間の微妙な位置でセットすると、約1/4秒(計測/すきもの屋)までのスロー速度に対応可能です。また、シャッターボタン根元のリングを回転させ[B]の位置に合わせる事でバルブ開放モードに切り替わります。シャッターチャージはボディ前面のレバーにて行いますが、レリーズ時にこのレバーが激しく動きますので注意が必要です。ノーマル状態では外側を向いているこのレバーは、幸いな事に六角レンチ一本で簡単に内向きに出来ます(画像のC3は対策済です)。

    絞りはレンズ前面の突起を回転させる事で調整可能です。この時代の大衆カメラにフィルム感度対応補正機能などはありませんので、撮影には撮影者の勘と経験が求められます。
    もっともC3のレンズは寛容ですので、適当に撮影してもそれなりには撮れます(笑)。

    一連の基本操作に不安のある方には下記のサイトがおすすめです。
    珍しいカメラの使い方講座argus_C3編 /TOPPAGE



    プラスチックボディの前後をアルミ板で挟んだ構造のアーガスC3に「軍艦部」はありません。ダイヤルやシャッターの配置もシンプルでわかりやすい構成です。
    フィルム装填の際に、裏蓋を開けて35ミリフィルムを詰める際に通常のカメラとは逆でパトローネを右側に持ってくる位が注意点でしょうか。フィルム送りは完全マニュアルですが、1枚分送るごとにストッパーが掛かるので、2枚目以降は打ち損ねた釘の頭のような(笑)解除レバーを軽く押してから巻いてください。なお、当てになりませんがフィルムカウンター(上の画像でレリーズの左下にある円盤上のもの)もありますので、1枚目を撮る際に「1」の位置に合わせておくと気休め位にはなります。

    ファインダーは二重像合致式ならぬ「上下像合致式」ですが、初期のRF機の例に漏れず視界が狭く、文字通りの距離計でしかありません。しかも、ピント調整ダイヤル裏の真鍮製カムによってレンズ部と距離計がアバウトに連動している構造上、精密なピント合わせは苦手です。慣れたら目測での撮影を行った方が良いでしょう。なお、構図合わせ用のファインダーは距離計の左に独立して設けられているのでご注意を。
    距離計上部の丸い蓋を開けると、距離計調整用のネジにアクセス可能です。



    フィルム室の内側に、argus社のステッカーが貼ってあります。
    「デザイン特許/第110516号」と書いてありますが、この時代にそれだけのデザイン特許が存在していた、というのが驚きです。さすがはアメリカ。



    アーガスC3と同年代を生きた国産カメラを並べてみました。
    (左)日本式大衆2眼レフの元祖、リコーフレックス
    (右)ツァイス蛇腹カメラのコピー製品、昭和光学セミレオタックス

    どちらも当時の日本の世情を反映した製品といえます。ベストセラー故の保守性に縛られたC3に対し、「優秀なドイツ技術の模倣」と「日本独自の大衆カメラ」はやがてコンセプトとしての融合を果たし、後のカメラ大国日本へと繋がる基礎を築いていったのです。

    C3は、今となっては取り立てて飾り気のないプラカメです。しかし、このカメラには独特の世界があります。それはクラシックである事すら忘れさせてくれる頑丈さであり、撮ってみると意外な実力を発揮してくれるレンズでもあります。このカメラを「バルナックライカ以上の実力」とまで高く評価する意見もありますが、それ以上にC3が素晴らしいのは、全く背伸びせず「大衆カメラ」であってくれている事だと私は感じます。

    変な格付けや批評なんかどこ吹く風!C3は永遠に「みんなのカメラ」なのですから。
    こんなにフランクな付き合いができる戦前カメラなんて、そうそうありません。



    アーガスC3分解記事はこちら!
    アーガスC3(argus C3)を分解してみよう(←CLICK)



    2008/01/20 追記
    記事の全面改訂及び、画像の再撮影を行いました。


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