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トピックス画像/エレクトロ35のSLOWランプがよく点く季節になりました。

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    60年代レンジファインダーカメラを使ってみよう!【1:露出調整】
    銀塩クラシックカメラに興味を持つ方は21世紀になってもいまだ多く、デジカメやカメラ搭載携帯の普及によってその中古価格も大変手頃なものとなっています。また、金属や大口径レンズを多用したクラシックカメラは、プラスチックと電子基盤からなるデジカメには無い機械的魅力を持っており、所有し愛用する満足感も大いに味わえます。
    当ブログ「すきもの屋」で最も多く扱われ、主役であるヤシカエレクトロ35Gも属するクラシックカメラのカテゴリーはといえば、1960年代前半までフィルムカメラの主流であった、レンジファインダー式カメラです。

    60年代レンジファインダーカメラを使ってみよう!」第1回となる今回は、60年代に活躍したレンジファインダー式カメラの各種機能の中でも、最も試行錯誤がなされ多様性に富む「露出調整の方法」について簡単に解説していきます。

    露出調整における絞りとシャッター速度の関係については、下記ページに判り易い解説が載っています。
    【参照】デジカメ部屋:絞りとシャッター速度と露出の関係(←CLICK)




    そもそも「レンジファインダー式カメラってどんなカメラ?」と思われる方も多いかと思われます。
    レンジファインダーとは、写真の構図を決める覗き窓(ファインダー)に、ピントを合わせるための簡単な距離計を組み合わせたものです。殆ど大半の機種が、ファインダー中央部に目印が配置されており、その部分だけ画像が二重にズレて表示されるようになっています。この二重像はレンズのピントを調整する事によってズレの幅が変わり、二重像をピント調整でピッタリ重なるようにすれば「ピントが合った」状態となるように光学的に設計されています。
    (レンジファインダーにつきましては連載第2回で扱います)

    レンジファインダーの普及によってピント合わせは簡単になったものの、写真撮影を行う上で難しい技術に「露出調整」というものがあります。天候や明るさ等に合わせて絞りやシャッター速度を調整してやらないと、写真は(白けた感じになったり暗くなったりして)キレイに写ってくれないからです。
    そこで、50年代後半から主に国内のカメラメーカーが露出調整の作業が簡単になるような技術的工夫を凝らし始めたのです。それまでは勘や単体露出計で露出を合わせるしかなかったカメラは、戦後の経済復興に伴うレンジファインダー式カメラの一般普及に伴い、様々な方法で露出調整の簡易化、自動化が図られました。
    その中でも代表的なものを(アバウトな分類ですが)ご紹介します。



    1:完全手動方式 (アーガスC3等)



    全ての作業を手動で行い、露出の計測も撮影者の勘に頼るか単体露出計で行う方式はカメラの「原点」といわれ、フルマニュアル機と呼ばれます。機械的に見ても壊れる箇所が比較的少なく、最もクラシックカメラらしい存在ではありますが、写真の出来が撮影者の技量に大きく左右されるという難点があり、一般普及のプロセスにて各部の自動化が図られていく事となります。



    1:露出計内蔵/手動式 (ミノルタユニオマット、ヤシカミニスターD等)



    60年代前半、コンパクトで比較的低価格なレンジファインダー機は急速に普及していきました。そして技術の進歩に伴い、小型の露出計をカメラに搭載する方式が時代の主流となっていったのです。

    上画像「ミノルタ ユニオマット2」の場合は、予め最適なシャッター速度と絞りの組み合わせが決められており、撮影者はカメラ上面の露出計を見ながら、露出調整ダイヤルを回転させて緑の針を動かし、露出計の赤い針に重ねる事で一度に絞り・シャッター速度を合わせる事ができるのです。シャッター速度と絞りの組み合わせが予め機械的にプログラムされている事から、この機構は「プログラムEE(EEは電子の眼という意味)」と呼ばれています。



    こちらは「ヤシカ ミニスターD」です。
    ユニオマット2と異なり、ミニスターDの露出計には露出値を示す針が1本あるのみです。代わりにミニスターDでは、露出計に目盛が刻まれており、露出計の針が指す目盛の数値に合わせて鏡筒先端のダイヤルを回してやると連動ギアが作動して各ダイヤルを回転させ、最適な絞り・シャッター速度が機械的に選択されます。
    ミニスターDは、ユニオマットと異なり適正な露出を保ちながらシャッター速度や絞りをある程度自由に変更できます。この機構は「ライトバリュー(LV)方式」と呼ばれ、撮影の自由度が比較的高いのが特徴です。

    どちらの方式も「露出計は内蔵している」もののカメラ本体との機械的な連動はなく、勘で露出を測っての手動撮影も可能となっていますので、露出計が故障していても撮影機構は正常に機能します。



    1:露出計内蔵/自動式 (ヤシカエレクトロ35、ミノルタハイマチック7等)





    露出計内蔵式レンジファインダー機は「より簡単な撮影」を求めて進化を続け、遂にシャッター速度や絞りの調整を自動化するに至ります。中でも65年発売の「ヤシカ エレクトロ35」はシャッター速度を完全自動制御とした機種の代表であり、シャッター速度は絞りダイヤル調整に合わせて最適なスピードに自動制御されます(絞り優先EE)。

    ヤシカエレクトロ35は露出計とトランジスタ回路(シリーズ後期機種はIC回路)によってシャッター速度を完全にコントロールするだけではなく、適正な絞り設定を警告ランプにて判り易く教えてくれます。上画像では軍艦部上面の〔SLOW〕ランプが点灯し、ファインダー内に左向きの矢印が点灯していますが(※注)、この場合は絞り調整ダイヤルを矢印通りに左側(絞り開放)に回せ、という意味になります。逆に〔OVER〕ランプが点灯し、ファインダー内に右向きの赤い矢印が点灯した場合は絞りが不足しているので絞り調整ダイヤルを右に回しましょう。



    「ミノルタ ハイマチック7」のファインダービューです。
    ハイマチック7はエレクトロ35と異なり、絞り・シャッター速度を手動で設定してのフルマニュアル撮影も可能となっています。また、絞り・シャッター速度のどちらかを選択し、優先しての自動制御を可能としており(両優先EE)、多様な撮影スタイルに対応しています。
    ファインダー右側には露出計の指針が表示されていますが、シャッター速度や絞りの表示はなされないため、ファインダーで露出値を読んで一旦ファインダーから眼を離し、ダイヤルを操作する必要があるのはやや不便な印象があります。


    60年代レンジファインダー機の露出調整機構は、かくも様々な試行錯誤の末に洗練淘汰されていきました。そして70年代から80年代に至り、露出もシャッター速度もピント合わせも完全に自動化されていき、レンジファインダー機は一部の高級機を除いて実質的に絶滅しました。しかし、カメラが最も進化し、試行錯誤を重ねていた60年代のレンジファインダー機のメカニズムを操る面白さには、今もなお不変の魅力が宿っています。

    何もかも電子的に調律された無機質なデジカメには無い人間味が一杯の「キカイ」と一緒に、レンズ越しの光と戯れてみませんか?




    (おまけ)
    ついでに、一眼レフのファインダーも覗いてみましょう。



    60年代マニュアル一眼レフ「ミノルタ SR−T101」のファインダービューです。
    右側の細い針が露出計指針です(数値表示はありません)。絞りとシャッター速度を調整して、虫メガネ形の指針を露出計の針に合わせると適正露出となります。シャッター速度はファインダー下部に表示されます。



    こちらは70年代後半の機種「ミノルタ XG−E」のファインダービューです。
    絞り優先でシャッター速度が自動的に制御され、ファインダー右側にシャッター速度がLEDランプで表示されます。しかしながらシャッター速度をマニュアルとした場合はシャッター速度の表示はなされず、また露出表示もないため完全マニュアル機となります。

    個人的には「キレイな電子表示」のXG−Eよりも、複数の指針が糸と滑車でギッチョンギッチョン動くSR−T101の方が、操る喜びを強く感じられて好きです。


    (※注)
    管理人ferdi所有のヤシカエレクトロ35Gは、GT以降の機種と同様に矢印のファインダー内警告ランプを装着し、修理作業に伴って内部配線改良及び警告ランプの白色LED化が施されているため、ノーマルのエレクトロ35Gとはファインダー表示が異なります。ノーマルのエレクトロ35Gの警告ランプは丸型ですのでご注意下さい。


    テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真

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