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    オリンパス ペンEES【概要と特徴】


    戦後の高度経済成長を迎えて人々のライフスタイルが多様化していく中、カメラもまた様々な撮影スタイルのもと普及していきました。中でも、1959年に誕生した初代オリンパスペンは、「ペン」という名の通りに筆記用具感覚で鞄に収められるコンパクトさと経済的なハーフサイズフィルムの採用が受け、極めて簡易な操作系もあって大ヒット作となりました。

    ハーフサイズカメラの代名詞的存在となってもペンは進歩を止めず、実に80年代初頭までその基本設計を変える事なく血統を保っていったのです。中でも、今回ご紹介する1962年発売のペンEESは、史上初のプログラムEE機構搭載カメラとして、初心者でも手軽かつ確実に撮影を楽しめる「EE(電気・電子制御)カメラ」(※注)という分野を開拓したともいえる、記念すべき一台です。



    ペンEESの軍艦部を背面から見てみました。
    可愛いフィルムカウンターは「撮影枚数」ではなく「残りフィルム枚数」を表示します。指針の調整も簡単で、例えば36枚撮りフィルムをセットしたならば、ペンはハーフサイズだから

    36×2=72枚撮影可能!

    ですので、フィルム装填後に指針を72の位置に回せば撮影準備OKです。
    使い切るのが大変な枚数ですが頑張りましょう(笑)。

    鏡筒部ダイヤルでは、フィルム感度及びストロボ撮影時の絞り設定ができます。



    ハーフサイズながら侮れない描写に定評があるD.Zuiko f2.8/30mm 3群4枚のレンズは、正面ダイヤルを目測で回転させてピント調整を行うゾーンフォーカス式となっています。

    レンズを取り巻くツブツブ状のサークルは、この時代のEEカメラに多く装備されているセレン光電池式露出計です。セレン光電池とは一種の太陽電池で、被写体の明るさに応じて微量の電気を発電、露出計本体を駆動します。そして露出計の動きが機械的に絞り・シャッター速度を決定し、シャッターを切るだけで最適な設定の写真が撮れる構造になっているのです。

    シャッター速度は、1/30秒と1/250の2速自動切換え式となっています。



    この頃のペンは、底蓋のツマミを回転させると裏蓋と底蓋がカポーンと取れます。
    野外でフィルムを交換する際は、泥や埃の侵入にご注意下さい。
    (管理人ferdiは誤ってコオロギを装填した事がある・・・)



    そして、ペンの名物ともいえるのがこの「赤ベロ」です。
    赤ベロは、撮影光量が不足して最適な撮影ができないとカメラが判断した時に、シャッターボタンに連動して画像のようにファインダー内に突出し、撮影不能を知らせてくれます。赤ベロ突出時はシャッターがブロックされ、暗所での無駄な撮影を100%防ぐのです。



    ペンと同じく60年代前半から80年代前半までを生き延びたハーフサイズカメラの巨人、リコーオートハーフ(最終型)と並べてみました。オートハーフの方がストロボ内蔵型なので多少ゴツく見えますが、基本的にはどちらもコンパクトで可愛い傑作機です。



    非常にキュートで、それでいて使い勝手も性能も良いペンは、今もなおクラシックカメラ界の人気者です。工業デザイン的見地から見てもその設計及びコンセプトは今でも全く色あせておらず、むしろ新鮮な輝きすら放っているかのように思えます。

    感性は人それぞれで違うとは思いますが、ここまで愛着の持てそうな、かつ魅力的なデジカメを私は知りません。モノはモノでしかないと言えばそれまでですが、それ以上のナニカを見出せるモノこそが、本当に長く愛すべきモノなのだとはいえないでしょうか。



    テーマ:★カメラ&レンズ・機材 - ジャンル:写真

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    この記事に対するコメント

    オリンパスペン,リコーオートハーフどちらも気になるカメラです、両方ともいまだに人気のあるカメラですよね。
    小中学生の頃はどちらかというとオートハーフの方が多かったような気がしますね、私の周りでは。

    110のポケットカメラが出た頃はハーフサイズの方が良いのになぁ、なんで〜?と思いました、でもペンタックスAuto110なんか持ってますけど。
    (多分)景気が良くて、2倍撮れる!がセールスポイントならなくなったんでしょうか。

    いずれにしてもハーフサイズカメラは私にとって懐かしいカメラです。中学の修学旅行ではキヤノンデミでパチパチ撮ってもフィルムの残り枚数をあまり気にせずに済みました。フルサイズカメラの人は残りをすごく気にしてたから。




    2008/06/02  URL COMMENT:maimai   [EDIT]


    こんな絶賛記事を書いておきながら不謹慎なコメントをさせて戴きますが、実は私、ペンよりオートハーフの方が好きなんです。
    なぜならペンは「出来が良過ぎる」からです。一見便利そうでインチキ臭い(誉め言葉)けど人間っぽい動きをしてくれるオートハーフの方が、なんとなく「犬」的な魅力を感じられて好きですね。

    とはいえ今となっては、おっしゃる通りにハーフは過去のフォーマット・・・でも、まだまだ楽しめますよ(笑)。

    auto110の写真も機会がありましたら拝見できれば嬉しい限りです。綺麗な絵が撮れる110カメラ自体、ハーフカメラ以上の貴重品ですから。
    2008/06/02  URL COMMENT:ferdi>maimaiさん   [EDIT]


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